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UX成分多めにしたい。

「UX本読書」二冊目 UX戦略

UX関連本を読み漁ろう企画の二冊目です。

一冊目の「誰のためのデザイン?」で気合を入れて書きすぎたので、今回はもう少し緩めに書きたいと思います(前回は6時間ぶっ通しで書きました)。

単純な感想多めです、前回に比べると個人的話が多いかも。。

 

それでは二冊目の本を紹介します。

「UX戦略 - ユーザー体験から考えるプロダクト作り」

(幸いこの本も電子書籍ではなかったので直接パシャり)

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この本が日本で出版された時にはUXに対する無理解というか、バズってるなあというレビューが販売サイトに並んでいました。UXとUIを混同していたりデザイン手法の話だと勘違いしている方が多いようです。

例えば、「具体的手法が書かれていない」だとか、「意識高い系が読む本」だとか「期待はずれ」とか書かれていました。今見てみるとそれらのレビューに対する批判が多かったのかレビュー自体が消えているようですね。

よいUXを実現する手法?

UXの本を読んだり実践してみると「良いUXを実現するための手法」というのは普通に私たちが考える手法とは違うことがわかります。プログラミングのようにデザインパターンで書けば綺麗に書ける!なんてことはありません。使いやすいデザインの原則に従えばそれでOKかと言うとそうでもありません。

73億人が満足するUXは無い

UXが対象としているのはユーザーである人です。2017年現在の世界人口は73億人だそうですが、極端に言ってしまえば、73億人が満足するUX手法!なんて無いのです。

じゃあ世の中のUXの本やネットの情報は無駄なのか?と言うとそうではありません。UXを考える時、そのUXを備えるサービスなりシステムが必ず存在します。そのサービスを使う人達となると平均して100万人ぐらいでしょうし、実際にステークホルダーとなる人達は1万人ぐらいかもしれません。

さらには、サービスやシステムはある程度絞られた目的のためにあるので、使う用途により対象ユーザーもグッと絞れるのです。そういった絞られたサービスを使う人達に対して満足するUXを考える!となるとまだ現実的ですよね。

サービスやシステムといってもそれも無数にあります。その無数にあるサービス1つ1つに最適なUXがそれぞれあるわけです。

サービス毎に最適化されたUX

結局何が言いたいかというと、よいUXを考えるにはそのサービス毎に最適なものを考えるしかないということです。UX本に書かれているのは、それぞれのサービスに合った最適なUXを見つけ出すための手法です。

それぞれのサービス毎に最適なものが変わるわけですから、それを見つけるとなると「ユーザーに聞くのが早い!」となって「ペルソナを作ろう!」「ユーザーインタビューをしよう!」になるわけですし、最適なUXの学習のために「何度もプロトタイプを作ってテストしよう!」となるわけです。この辺の詳しい手法は「リーンUX」などに詳しい話が載っています。

UXを単なるデザインの話だと誤解していると、ユーザーインタビューやプロトタイプテストが手法とは思えないのかもしれません。

この本の主題

盛大に話がずれました。。 

この本が伝えたいことを一言で表すなら

「ユーザーが求めてないサービスを作っても意味がない」

ということです。

だから「ユーザーが本当に求めているサービスを作るにはこうしよう!」という話がUX戦略として書かれているわけです。

私はよいUXとは「ユーザーが本当に求めていることを快適に気持ちよく行える」ということだと理解しています。

ではもし、UXを考える前の段階。企画やアイディア自体がロクでもないものだったらどうでしょうか?ユーザーに求められていないものだったら?

例えば、「インターネット経由でトイレの水が流せるサービス」を考えたとして、そのサービスのUXをいくら素晴らしいものにしても誰が使うでしょう?

そして、求められないサービスはそれだけで「ユーザーが本当に求めていること」とは違います。それはUXを考える前からUXが破綻しているとは言えないでしょうか?

私はこの本を読んでから、UXとサービス自体の存在価値(求められているか?)は切り離せないものだと考えるようになりました。今では「よいUXを考えて欲しい」と言われると、そもそものサービスのあり方とかアイディアを考える段階から関わるようにしています。

この本の位置付け

UX戦略というと馴染みの薄い言葉です。そのため、この本はいつ役立つだろう?なんて疑問に思うかもしれません。

私個人の見解からすると、この本が役に立つのはアイディアや課題解決の方法を思いつき、それを実際に実現させようと動き出す前です。 

戦略とついているのだから動き出す前に必要なのは当然かもしれませんね。

実際の手法としても

  • UX戦略
  • バリュープロポジションの検証
  • 競合調査
  • 競合分析
  • バリューイノベーション
  • 実験的プロトタイプの作成
  • ゲリラユーザー調査

などなど、浅く広く紹介されています。広く浅くというのはUX戦略以外のテーマに関しては専門的な書籍が別にあったりするからです。この本はあくまでUX戦略の考え方とそれを実現するための手法を紹介しています。

そのため、スタートアップだったり、UXをより洗練させたいけど何をしたら良いか分からないと思っている人にはこの本は最適です。この本で紹介される手法や書籍からさらに専門的な分野に進むことができるようになります。

気になったポイント

この本は言うなれば考え方の本なので、詳しくは本を読んで欲しいのですが、個人的に気になったポイントを紹介します。

ステークスホルダーは夢想家

この本の中でもかなり好きな言葉です。色んな方からUXやデザインの相談をされますが基本的に皆さん夢想家です(私も含め)。これを実現したら素晴らしいはずだ!すごいはずだ!ってみんな思っています。

これは別に悪いことだとは思いません。それが妄想だと自覚できているならむしろアイディアを産むためにどんどんすれば良いと思います。

ただ、それが妄想ではなく現実にそうなる!と信じてしまっている場合は要注意です。99%そうなりません。

実際にそのアイディアが求められてるものなのか?成功するのか?ということはこの本に書かれているように検証して改良する必要があります。

検証されていない不完全な思い込みを含む仮説

夢想家と意味は似ていますし、実際同じような意味です。ただ、チームメンバーと話し合う時などに、自分やチームメンバーの言っていることが「不完全な思い込みを含む仮説」であることに注意しなければと思います。仮説を真実だと思い込んでプロジェクトを進めることはかなりのリスクになります。

顧客たちと直接会うことは問答無用で絶対に必要だ

顧客と直接会うことは怖いことです。自分たちが作ったり、作ろうとしているサービスを否定されることは自分たちを否定されてるように感じます。でも会わなければ本当に顧客が求めてることはわかりません。そのサービスの存在意義は顧客に使ってもらうためにあるので、求められるものが作れなければ意味も価値もないのです。

これについては私も反省しなければと思います。顧客に会うことは想像以上に面倒で怖いので尻込みしていました。自分でサービスを作り会社を立てようとしている今はそんなこと言ってられないなと思っています。

バリューイノベーションの章全体

簡単に言えばブルーオーシャンを見つけよう!という話と手法の話です。この章を読んでつくづく思うのは、日本人がいかに新しいものを作るのが苦手か、ということです。

私は去年まで某大手のゲーム会社にいましたが、あえてレッドオーシャンに乗り込む施策の多いこと多いこと。ゲーム性は一緒でキャラだけ変えてもそれはブルーオーシャンを見つけてることになりません。他者が儲かってるサービスを丸コピして提供してもレッドオーシャンに殴り込んでいるだけです。

この本にも書かれているように、従来の機能を次の段階へ引き上げることが必要です。それは難しいことではないはずで、tiwtterもfacebookも従来からあったサービスを少し発展させただけです。成功するかどうかは置いといて、少し工夫する、発展させるということをもっとやる文化が広まればと思います。

まとめ

あんまり本自体のこと書いてないかも、というのが記事を書いた感想なのですが。私がこの本から学んだのは考え方きっかけであって、細かい定義とか原理ではないので仕方ないのかもしれません。ただ、この本をネタにして普段UX関連で感じていることを色々と書けた気がします。

この本を読んで欲しい人

この本を読んで欲しいのは、スタートアップを始めようとする人UXをより良くしたいと思っているUXデザイナーでしょうか。また、経営者の方にも読んでいただいてUXがただのデザインに止まらない分野だと理解してもらえたらいいなと思います。

反省

正直少しごちゃっとした紹介になってしまいました。文章の書き方とかまとめ方とかもっと勉強します!ということで締めたいと思います。